poem
見上げれば空は青い

朝のニュースが今日も悲しく叫ぶ
それでもなにもできずに
都会の隅で小さな自分の存在を確認するだけ
また僕は迷子になってしまった

にせものが大きな顔して街を歩く
数字がすべてと笑う偉い人たちは
歴史を壊してなにをしようとしているのだろう
また僕は迷子になってしまった

次の時代に残せるものが
僕にはあるだろうか
子供たちに誇れるものが
僕にはあるだろうか

生きていくことの意味を教えてと
君が少し涙ぐむ
うん
それはとても難しいね

やさしさはどこへ行くのだろう
ぬくもりはどこへ行くのだろう
せつなさはどこへ行くのだろう
この国は
この国はどこへ行くのだろう

右と左とで迷ってしまったら
そうだ
まぶたを閉じて
じっと風の音を聞こう

○と×とであしたを決められないけれど
そうさ
心をからっぽにして
そっと大地の声を聞こう

意味のないことなんて
きっとひとつもありゃしないんだ
だいじょうぶ
遠回りなんていう人生はないさ

語りすぎもせず
黙りすぎもせず
となりにいてくれる君を抱き寄せて
愛をもらってふと
見上げれば空は青い

たとえばふたり
もしも砂漠の果てで倒れたときに
最後に水を分け合えるだろうか

たとえばふたり
もしも十年離れて暮らしていても
互いのことを信じていられるだろうか

ついこのあいだまで
なにもかもひとりで決めてきたけれど
こんな僕が
近ごろ必ず君のことを考えているんだ

流されもせず
逆らいもせず
となりにいてくれる君に唇寄せて
愛をつたえてふと
見上げれば空は青い

誰かのせいにせず
自分のエゴにせず
となりにいてくれる君を抱き寄せて
愛をたくしてふと
見上げれば空は青い

愛をかんじてふと
見上げれば空は青い
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